トムフォルクナー25周年を迎えて

トムフォルクナーは美しく独創的なコンテンポラリー家具を世に送り出している英国のデザイナーであり、オーセンテリアがお取扱いしている家具のトップブランドです。

そのトムフォルクナー社が2021年、記念すべき25周年を迎えました。今回はトムフォルクナーの歴史を紐解いてみましょう。

創業者であるトムフォルクナーは、20年以上にわたって「ものづくり」を続けてきました。20代はさまざまな仕事に就いていましたが、ロンドンのクリサリス・レコードで働いているときに、創造性が本格的に発揮されるようになりました。

始まりは、ステンシルとスプレーを使ってデコレーションしたコーヒーテーブルでした。自分のクリエイティビティに可能性を感じたトムは、友人や家族にテーブルを売るようになりました。そして、音楽の世界から離れて、自分でビジネスを始めることを決意しました。『暗闇の中からの跳躍でした』とトムは言います。『ビジネスのことも、インテリアのことも、家具のことも、何も知らなかったのですから』。

1995年、創作活動を続けていたトムはウィルトシャーにある小さな鍛冶屋を見つけ自分のデザインで椅子を作ってもらいました。そのときトムは曲げたりねじったりして好きな形にすることができる金属という素材の可能性に出会いました。

トムは新しいテーブルやダイニングチェアのデザインを始めました。すぐに反響があり、ビジネスは有機的に成長し始めました。1996年、トムはさらに創作の幅を広げるために、ウィルトシャーにあった鍛冶屋の経営権を買い取ります。

その鍛冶屋の工房は1850年代にイギリスの偉大なエンジニア、『イサンバード・キングダム・ブルネル』によって建設された元鉄道整備工場だった建物で、現在のトムフォルクナーのワークショップとなっています。

創業当時からのメンバーであるメタル加工の熟練の職人、ナイジェル・バラミーが作り出す絶妙な曲線はトムの作品に無くてはならない存在です。ワークショップではスチールのカット、成形、溶接、研磨、そしてトムフォルクナーの素晴らしさのひとつでもあるFinish(塗装の仕上げ)が完璧なクオリティで行われています。

1999年、トムはロンドンのクラーケンウェルに最初のショールームをオープンしました。2004年には、現在のCEOであるミランダ・カーワンが参加します。セールス&マーケティングの経験があったミランダは徐々にビジネスに欠かせない存在となっていきました。2008年には、チェルシーの一等地であるデザイン・クォーターにショールームを移転しました。

メタル素材がトムの作品のベースにありますが、ブロンズとスチールに加えて大理石、木材、ガラス、レザーなどの自然素材を組み合わせて造形への探求を続けています。トムは常に新しいインスピレーションを求めて日本やドイツのバウハウスなど世界を旅しており、2018年には再来日しオーセンテリアで日本のインテリア関係者に対してセミナーを行っています。

トムフォルクナーの特徴は、クリーンなライン、シンプルさ、そして美しい素材です。個人のお客様からプロのインテリアデザイナーまで幅広く愛されているトムの家具は、現代的な空間でも伝統的な様式の中でも見事に調和します。

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