デザインやアートを巡るイギリス週末旅

アートを巡る旅

ゴールデンウィークや、これから迎える夏のバケーションの計画など、ご予定はいかがでしょうか。
今回はトムフォルクナーのジャーナルをもとに、イギリス郊外への週末旅行、デザインやアートを巡るトムのお勧めスポットをご紹介。トムも週末には街を抜け出し、リラックス&インスパイアリングな旅を楽しんでいる模様です。そんな旅の時間が、彼のデザインアイデアの源になっているのかもしれません。
アートやデザインの情報だけでなく、おすすめなレストランや宿泊先など盛りだくさんです。イギリスの週末旅、トムと一緒に巡ってみましょう!

サマセット

サマセット(Somerset)は、イギリスの南西部に位置し、DFL(Down From Londons:ロンドンからイギリス南部に移住してきた人々)と呼ばれる人々で賑わっています。サマセットのブルートン(Bruton)という村は、クリエイティブな新しい住民が多く住む地域のひとつで、芸術的な刺激を受けるには素晴らしい場所です。
ブルートンには、世界的に有名なギャラリー「ハウザー&ワース(hauser & wirth)」が建てた、「ハウザー&ワース・サマセット(Hauser & Wirth Somerset)」があります。ここではアートの展示だけでなく、教育プログラムやアーティストへの研修プログラムや様々なイベントも開催されています。クラフトに特化したギャラリー「メイク(Make)」があり、世界中から集められた作家の作品を見て購入することができます。

また、農地直送の素晴らしい料理を提供する小さな村のレストラン「オシップ(Osip)」、レストランには、ホテル「ナンバーワン・ブルートン(Number One Bruton)」が隣接しているので、村に留まりたければ宿泊することもできます。
すぐ近くには「アット・ザ・チャペル(at the chapel)」があり、こちらも部屋付きの素晴らしいレストランです。

田園風景を存分に楽しみたい方は、少し車を走らせて「ザ・ニュート(The Newt)」へ。この広大な敷地には、活気あふれる美しい庭園、トップクラスのレストランを備えた英国屈指のホテルがあります。伝統的なサイダーも楽しめます。建物自体がデザインの偉業であり、芸術的な目に火をつけるに違いありません。(ザ・ニュートはメンバー制の施設となります。)

ジョージ王朝時代の栄光が残るバース(Bath)へは車ですぐ。ジョージアン様式の建築「ザ・ロイヤルクレセント(Royal Crescent)」を散策し、個性的なヴィンテージ品で溢れる「8ホランド・ストリート(8 Holland Street)」などのデザインスポットに立ち寄ってみましょう。創業者のトビアス・ヴァーノン(Tobias Vernon)は、彼の特徴である折衷的なスタイルで装飾されたホテル「タウンハウス(Townhouse)」もオープンしました。素晴らしいインテリアとアイテムに囲まれた宿泊を楽しみましょう。
雑誌「シリアル(Cereal)」の創刊者ローザ・パーク(Rosa Park)とリッチ・ステイプルトン(Rich Stapleton)が主宰する「フランシス・ギャラリー(Francis gallery)」にもぜひ立ち寄ってみてください。韓国陶磁器やイギリスのアンティークが、現代的でありながら個性的な雰囲気を醸し出すよう、巧みにキュレーションされています。日曜のパブランチをお探しなら、マーゴット・ヘンダーソン(Margot Henderson)の新店舗、バットコム(Batcombe)に位置する「ザ・スリー・ホースシューズ(The Three Horseshoes)」に立ち寄ってみてはいかがでしょう。

コーンウェル

イギリスの最南西「コーンウォール(Cornwall)」。一面に広がる海とチョコレート箱のような村々が絶景を作り出します。ビーチや自然を満喫したら、刺激的なスポットにも立ち寄ってみましょう。コーンウォールにある海沿いの町「セント・アイヴス(St Ives)」は、芸術の町。「テート・セント・アイヴス(Tate St Ives)」は、モダン・アートの数々を楽しめる素晴らしい場所です。また、「バーバラ・ヘップワース美術館と彫刻庭園( Barbara Hepworth Museum and Sculpture Garden)」もぜひ訪れたいスポット。ここは、セント・アイヴスの町が芸術家のコロニーとして、インスピレーションに満ちた輸入品や地元の才能に溢れていた時代を思い起こさせるタイムカプセルのような場所です。バーバラ・ヘップワースの自宅(現在美術館)を散策し、アトリエを覗いてから、芸術的な喜びが詰まった庭を眺めましょう。

セント・アイヴスには、新時代のワインや料理を提供する興味深いレストランやバーが沢山あるので、行く先々で立ち寄りたい店を見つけられることでしょう。しかし、海の上できちんとしたランチを食べたいなら、セント・マウズ(St Mawes)の「ホテル・トレサントン( Hotel Tresanton )」まで足を伸ばそう。風通しの良いテラスは、フレンチ・リビエラにいるよう。夏の間はビーチバーベキューも開催されます。インテリアデザイナーのオルガ・ポリッツィ(Olga Polizzi)がデザインした客室に泊まりたい場合は、必ず問い合わせを。

ザ・ピークディストリクト国立公園

もっとアクティブに自然を楽しみたい方には「ザ・ピーク ディストリクト国立公園(the Peak District national Park)」がぴったりです。ハイキングやサイクリングに繰り出して、感動的な絶景を楽しむことができます。
大自然を満喫したら、デヴォンシャー公爵夫妻の邸宅である「チャッツワース(Chatsworth)」まで足を延ばしてみよう。素晴らしい庭園に囲まれた壮大な邸宅です。時代を超えた芸術とデザインに焦点を当てることで、その体験はさらに奥深いものになるでしょう。

さらに車を北に走らせて、ギャラリー「ヘップワース・ウェイクフィールド(Hepworth Wakefield)」で、近現代のアートにもっと深く触れてみましょう。近くの「ヨークシャー彫刻公園(Yorkshire Sculpture Park)」には、ヘンリー・ムーア、アンソニー・キャロ、アイ・ウェイウェイなどの世界的な作品が500エーカーの敷地に展示されています。
また歴史好きの方には、900年の歴史を持つ「ハドン・ホール(Haddon Hall)」はいかがでしょう。この建物は、火事や災害、戦争、時代の移り変わりなどをかいくぐり現存する、英国で最も保存状態の良い中世の邸宅のひとつです。
ちょっと変わったところでは、「キャロウ・ホール( Callow Hall)」のツリーハウスに泊まってみるのも面白いでしょう。英国屈指のラグジュアリーホテル「チュートン・グレン(Chewton Glen)」のチームが芸術的にデザインしたホテルです。

ケント

ロンドンの南東に位置するケント(Kent)。ケントは今、クリエイティブ・ルネッサンスで盛り上がっています。それは、ケントにある町マーゲート(Margate)出身のイギリス現代アーティスト、トレーシー・エミン(Tracey Emin)のおかげでもあるでしょう。彼女はトレーシー・エミン基金を設立し、地元の才能を育てるためにアートスクールを開校したりと、若いアーティストをサポートしています。また、ギャラリー「ターナー・コンテンポラリー(Turner Contemporary)」があり、魅力的なアート展が常に開催されています。

トレーシー エミンの作品 – “I never stopped loving you”

夜になったらマーゲートから少し南下して、ディール(Deal)のホテル/レストラン「ザ・ローズ(The Rose)」へ出かけましょう。古いビクトリア様式の内装は、イギリスのライフスタイルマガジン『wallpaper*』の元デザインエディターが夫婦で改装したもの。人気シェフ、ヌーノ・メンデス(Nuno Mendez)の素晴らしい料理を楽しんで。
地域の料理でお腹を満たしたら、ワイナリーに向かってみましょう。「シンプソンズ(Simpsons)」はイギリス産スパークリングワインの良い例です、いくつかのヴィンテージはフランス産のものと比べても遜色ありません。

イースト サセックス

週末に気軽に出かけたいなら、イースト・サセックス(East Sussex)がおすすめです。ルイス(Lewes)の町はロンドンから電車でわずか1時間なので、金曜の仕事終わりに出発して、月曜の朝に戻ってくることもできますね。遠くへ旅行に行く前に、まずはこの絵のように美しい町のアンティークショップや貴重書ショップを覗いてみるのもいいかもしれません。「チャールストン・ファームハウス(Charleston Farmhouse)」を訪れ、ブルームズベリーのライフスタイルとその跡に残る美のすべてを味わってみましょう。特に夏の間は文化的なイベントが目白押しなので、何が開催されているかチェックして出かけましょう。

地元に泊まりたいなら、快適でスタイリッシュに改装されたシンプルなカントリースタイルの「ラム・イン(The Ram Inn)」を予約しましょう。その後、近くの「ファール・プレイス(Firle Place)」まで散歩を。ファール・プレイスは、ヘンリー8世までさかのぼる大邸宅です。
ライ(Rye)とアルフリストン(Alfriston)は、ローマとノルマンの歴史の名残がある美しい小さな村です。コーンウェルのホテル トレサントンで言及したインテリアデザイナーのオルガ・ポリッツィ(Olga Polizzi)、アルフリストンにも彼女が手がけた「ザ・スター(The star)」があります。洗練されたインテリアに囲まれ、贅沢な時間を楽しんで。
ワイン愛好家なら、この地域が提供する新しいワイナリーにぜひ行かれてみてください。この地域の若々しい風味を味わいたいなら、「ティリンガム( Tillingham)」を最初に訪れることをお勧めします。葡萄畑にはにはレストランとピザ・バーがあり、どちらもヴィンテージモダンな家具で美しく飾られています。ワインを楽しみすぎて帰りたくなくなったら、宿泊も可能。

旅の計画を立てるだけでワクワクしますね!行ってみたいスポットはありましたか。
旅行の際は、安全に、健康に、思いっきり旅を楽しんでくださいませ!

こちらの記事はTom FaulknerのJournalの記事を元にオーセンテリアが編集、加筆したものです。
Original text by Annabel Colterjohn

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