大理石は市場に出回っているだけでも世界で何百もの種類があるのに加え、種類によってさまざまな特徴があり、それぞれ美しい表情があるので、その中からおすすめの大理石を選ぶのは容易ではありません。そこで今回は弊社取扱いの家具ブランドである「トムフォルクナー」で主に取り扱っているものの中からテーブル天板用の大理石１０選をご紹介いたします。
トムフォルクナーは、イギリスの大理石の老舗であるVitruvius社や、高い評価を得ているCullifords社と協力し、より品質の良い、それらの石材業者が責任を持って切り出したスラブのみを調達しています。
スラブとは大理石の原石を切り出して板状の形にしたもので、表面が磨いてあるものが多いです。
天然大理石の種類をネットで検索してみると、スラブの状態の画像が出てくることが多く、それがテーブルに加工された状態を想像するのは難しいかもしれません。そのため、この記事ではテーブルの天板として家具に仕上がった状態の画像を載せています。皆様の大理石選びの参考にしていただければ幸いです。
ノワールサンローランは、インクブラック色を基調とした、クラシックでなめらかな大理石です。アイボリーとアンバー色の石目に流れる脈が、この美しい色調の石に表情を与えています。表面は美しく輝き、クリーンで洗練された印象が高級感をもたらしています。
ホワイトビューティは、トムフォルクナーがお薦めする他の大理石よりも鮮やかな色合いで、表面には魅惑的な色彩が混ざるように渦を巻いています。ペーパーホワイトとグラファイトグレーの中に、かすかにくすんだシーフォームグリーンがふんわりと漂うような模様が美しいバランスを作り出しています。模様に特徴があるため画像にあるようなAvenuesコレクションのコンソールテーブルやコーヒーテーブルのような、直線的でシンプルなデザインの家具に最適です。
アラベスカートは、さまざまなデザインによくマッチする、かわいらしく、さわやかな色合いの大理石です。トムフォルクナーは、伝統的なカントリーハウスからモダンなシティハウスまで、あらゆるインテリアに調和する家具を作ることを目指していますが、アラベスカートは、テーブルの天板として汎用性にすぐれ、あらゆるインテリアスタイルに調和する大理石です。チョークホワイトを基調にグレーの柔らかな流れがあり、魅力的な模様がエレガントな表情を見せています。
ロッソ・ルアナ・ヴェルデは、大きく引き伸ばすと、まるで波打つ海景のように見える見事な大理石です。クリーム色、ブルー、砂浜のような色彩が波打つように組み合わされています。この石は、汚れがつきにくく、光や熱にも強い、美しいテーブルトップになります。こんな素敵な大理石のテーブルがあったら幸せな気持ちになりますよね。
シルバートラバーティンは、空間に自然な明るさをもたらす、モダンさを表現できる石です。クリーム色の色調と柔らかなテクスチャーが融合した模様は、あらゆる家具を引き立てるポテンシャルを持っています。この大理石は、タンブリング加工が大理石を少しアンティーク調の表情に変え、温かみと個性をもたらしています。
シルバーウェーブという名のとおり、表面は比較的均一な流れを持つ中国産の大理石です。輝く銀色と青みがかったダークなラインとのストライプが見られます。ダイニングテーブルの天板など広い面積で使用すると、起伏がある地形のような面白い模様が見えることがあります。蛇行した有機的なラインの「Papillon」と組み合わせると、石の起伏とのコントラストが美しく見えます。
カラカッタ・オロは伝統的な天然大理石で、トムフォルクナーの大理石のセレクションの中で人気、高級感ともに最上位の石の一つで、価格も高価です。その純白の色調は、ブラックパティナやチャコールブラックなどのFinish（メタルの脚部にほどこすトムフォルクナーの塗装仕上げ）と美しく調和し、ほのかなグレーのタッチが加わって、とても愛されています。また、色がないため、Papillonシリーズのような大胆な仕上げのオプションとの相性も抜群です。
エラモサは、鉱物が圧縮されて出来た層が時間の経過を感じさせるカナダ産の大理石です。表面には波紋のような模様があり、淡いアースカラーが輪のように重なり合っています。このユニークな遠心的な模様は、AVAやCapricornダイニングテーブルのような彫刻的な脚部を持つテーブルのラウンドトップ（円形の天板）として使用すると効果的です。
スペイン北部で産出される、光沢のある黒色の大理石です。ネロ・マルキーナは、落ち着いた色調の背景に白いラインが映えるバイトーン効果で、特にドラマチックな印象を与えます。コンテンポラリーなインテリアに最適で、モノトーンの空間に深みを与えてくれます。また、メンテナンスも比較的簡易で、傷がつきにくいため、年月を経ても美しい状態を保つことができます。
オニキスという大理石がLily（リリー）のデザインに完璧にマッチすることを発見してから、より多くオニキスを使った家具を製作するようになりました。上の画像のコーヒーテーブルでは、ホワイトオニキスの半透明な特性が最大限に生かされています。光が大理石を透過して降り注ぎ、ベースのシルエットが浮かび上がってきます。下の画像のピンクオニキスは、Lilyのカクテルテーブルとも相性が良く、この大理石の乳白色の葉脈の輝きを堪能することができます。
おすすめの大理石の種類については、「仕上げと素材」のページをご覧ください。また、大理石のテーブルトップのお手入れは「天然大理石のお手入れ方法」をご覧ください。
Text by Annabel Colterjohn
