とっておきのデザイン洋書 10選

インテリアに知性を、コーヒーテーブルブック

ハードカバーの大きな本がリビングテーブルに積み上げられた海外インテリアの写真をよくご覧になるかと思います。それらは『コーヒーテーブルブック』と呼びます。特にイギリスでは自宅のインテリアはその人の“個性と教養を表すもの”とされており、実はコーヒーテーブルブックも家主の人となりを表すエレメントの一つとしてさりげなくチェックされるものなのです。
そんなコーヒーテーブルブックにもぴったりの本たちを、トムフォルクナーのジャーナルを元にご紹介します。洋書が中心となりますが、美しい本の写真を見ているだけでもうっとりしますね。
10冊一気にご紹介でボリュームが多いですが、お付き合いいただけると幸いです。

Amazon等のリンクを付けてありますので、ご参考までにどうぞ。

A Modern Way to Live: 5 Design Principles from The Modern House

ザ モダンハウス(The Modern House)は新しいコンセプトのイギリスの不動産仲介会社で、人々が美しく暮らすために、空間、素材、自然、デザインなどにこだわったヴィンテージ建築や、モダン建築などの物件を中心に紹介しています。
そんなザ モダンハウスが出したこちらの本は、家づくりにおいてのあらゆるデザイン要素が余すことなく語られています。ザ モダンハウスの設立者の一人で本書の著者Matt Gibberd(マット・ギバード)は、創業以来彼らに大きな影響を与えた住宅と、そこに住む人々のストーリーを紹介しています。

Travel by Design

旅は素晴らしいものです。私たちの多くは、旅が私たちの人生に与えてくれる役割を以前よりも強く実感していることでしょう。
旅先で、少し目的を持って歩きまわりたい人にはこちらの本がオススメです。世界の隠れたデザインの素晴らしさを紹介してくれるガイドブックとなります。アメリカを代表する建築家やデザイナー150人以上が撮影した写真の数々、彼らのレンズを通して見る風景はとても刺激的です。彼らは食事、ホテル、現地の人しか知らないような情報まで、たくさんの素晴らしい旅のヒントを与えてくれます。

The Design Book

この一冊はまさに名前の通り。デザインの世界に広く興味を持っているなら、この本はあなたのための本です。プロダクトデザインに重きを置きながら、空間の様々な側面をも説明しています。私たちが座る椅子から、ランプにいたるまで、ページをめくっていると、私たちを取り巻く世界を探検しているような気分になります。

Atlas of Furniture Design

Vitra Design Museum(ヴィトラ・デザイン・ミュージアム)の出しているこちらの本は、百科事典のようなアプローチで過去200年間に生み出された最も偉大な家具を年代順に紹介しています。豊富な写真、デザインスケッチを含む1000ページを超える本書は、クリエイティブなインスピレーションの宝庫です。

Industrial Design A-Z

常に好奇心いっぱいの人にオススメの本です。もしあなたが日常を構成する小さなもの、例えば歯ブラシやスピーカーなどにふと疑問を感じたことがあるなら、この本がその答えを与えてくれるでしょう。飛行機が、風力タービンが、どうしてそのような形なのかなど、一つずつ分解しながら発明のレンズを通してデザインのストーリーを語ります。言い換えてしまえば、この本は、デザインを世に放つと何が起こるのか、ということの記録書なのです。

The Garden: Elements and Styles

もしあなたが、デザインと自然の織りなす世界に興味があるのなら、この本はきっとあなたの心に響くでしょう。庭園歴史家、庭園デザイナー、また作家であるトビー・マスグレイブ博士によるこの美しい本は、緑を愛する人にとって欠かすことのできないビジュアル研究書です。ガーデンデザインの歴史から、世界中で育った素晴らしい庭園の数々、その誕生を導いたクリエイティブなムーブメントなどを辿ります。

Terence Conran: My Life in Design

デザイン人生を語るのならば、欠かせないのはテレンス・コンラン卿でしょう。彼は正真正銘のデザインの帝国を築き、建築、家具デザイン、インテリアの世界で生涯にわたり活躍しました。コンラン卿はクリエイティブで多才な人物であり、デザインの歴史の中で自らの道を切り開き、デザインの構造自体に深く関わりました。この本では彼が残した数々の作品と、そのプロセスで得たインスピレーションの一部を紹介しています。

以下3冊は、日本ではお取り扱いが少ないようで、入手するのが困難かもしれませんが、個人輸入や海外にお出かけした際など、チェックしてみてください。

The Impossible Collection of Design

カルチャーやライフスタイルを専門に豪華で美しい装丁本を出版するAssouline(アスリーヌ)、ちなみに2冊目の”Travel by design”と10冊目の”Art house”も同出版社からです。こちらの本は、Assolineの数々の本の中でも、トロフィーブックのようなものです。外見も内面も美しく、それ自体が実質的なデザイン・オブジェなのです。デザインの権威であるFrédéric Chambre(フレデリック・シャンブル)が、20世紀の家具デザインの変遷をたどりながら、文化的論争にも触れています。まさにとっておきの一冊、自分への贈り物にいかがでしょうか。

Design Emergency

こちらの本は、現代社会に活力を与えるような本で、目的を持ったデザインイノベーションを読者に紹介しています。著者のアリスとパオラは、社会をより良い方向に変えたデザインを紹介、そのきっかけとなったひらめきの瞬間まで遡り、私たちが良いアイデアを自らひらめくことができるよう導いてくれます。

Art House

こちらは、アートのある暮らしに捧げられた一冊です。コレクターの最高峰であるChara Schreyer(チャラ・シュライヤー)の人生と、彼女が、彼女自身とそのアートのために建てた住まいを追っている。美しくキュレーションされた住居は、そこに収められた作品と同様にひらめきとインスピレーションを与え、アートとデザインの素晴らしい共生の関係に光を当てます。

以上、10冊のデザイン書をご紹介させていただきました。

インターネットで便利に情報が得られるこの時代ですが、本を手にとってページをめくる時、それはとても豊かな時間なのではないかと思います。本を通してワクワクしたり、うっとりしたり、発見があったり、そういった喜びはあなたの心の栄養となるでしょう。あなたの心踊る一冊との出会いがありますように。

Original text by Annabel Colterjohn

(この記事はオーセンテリアの取扱いブランドトムフォルクナー社のJournalを元に弊社が日本向けに編集したものです。)

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