2023年 London 出張レポート =お仕事編=

この秋も恒例のイギリス出張に行ってきました。
「ロンドンでどんな事をしたり見たりしてきたのかを知りたい。」嬉しいことに、そういうお声をあちらこちらから頂きまして、現地でのオーセンテリアの取り扱いブランドとの時間を、今回は久しぶりにわたくし石黒からシェアさせていただこうと思います。

2013年から毎年秋は必ず訪れているロンドン。メインの目的は、英国最大のハイエンドインテリア商材の見本市『Decorex -デコレックス-』でのリサーチや商談ですが、9月10月のロンドンではその他にもロンドンデザインフェアデザインジャンクションフォーカスラパダデコラティヴフェアパッドフリーズマスターピース とめくるめくインテリアとアートのイベントが目白押しです。以前はデコレックスも9月に開催されていましたが2019年から会場の変更に伴い10月開催となり、全てのイベントに行くことが叶わなくなってしましたが、今回はイベントとしては、手の届きやすいアート&アンティークなどのデコラティヴフェア 、ハイエンドインテリア商材のデコレックス 、一流のアンティーク~現代アート・ジュエリー・インテリアの集うパッド・ロンドン 、の三つに行くことができました。
しかしこれらのことをご紹介し始めると非常に長くなってしまいますので(笑)、今日はオーセンテリア・ファミリーブランドのことについて駆け足でご紹介させていただきます。

 

今回の出張はマーギット・ウィティッグとのアポイントメントでスタートです。
私のLondonで好きな場所Top10にランクインするマーギットのアトリエは、光とアートの神様からの祝福に溢れた場所。 2013年のデコレックスの一角の小さなスタンドでマーギットの作品群を初めて見たときの衝撃と感動そのまま、宝物(マーギットの作品)に囲まれた空間で、淹れてくれたコーヒーの入ったマグカップを片手にあれこれ相談するのがいつも楽しみでとても幸せな時間です。
マーギットもこの10年で大きく飛躍しています。今や世界中の一流デザイナーから注文がひっきりなし、「本当は毎年数カ月間は仕事を入れないで自分のクリエイティヴィティの時間を取らなきゃと思うけど、なかなかね。」と嬉しい悲鳴をあげていました。アトリエにはアメリカとギリシャとブラジルへ旅立っていくシャンデリアが運送会社の梱包を待っていました。

今回は新しくペンダントライトのシリーズの相談をしてきました。 品の良さ、洗練、抜け感、温かさ、これらが共存するのがマーギットの作品の特徴です。私の個人的に自宅に欲しい!を職権乱用⁈マーギットと一緒にデザインしてきました。来年の春ごろにはご紹介できるように頑張ります。また、彫刻家のマーギットはとても素敵なスカルプチャー(銅像)も作っています。 ディスプレイ棚や窓辺に、小ぶりの素敵なオブジェをお探しの方はお気軽にお問合せください。

 

続いてはトム・フォルクナーとのミーティングです。
この秋、NYにもショールームを出店、新作も発表し、とこちらも大忙しのTFチーム。今回は昨年オープンした2店舗目のピムリコ・ショールームでミーティングでした。ショールームには今年の新作のメイン『ヴェイル・ダイニングテーブル』と『エクリプス・コンソールテーブル』の展示も。新作のデザインについてデザイナーで創業者のトムから説明を受け、実物を拝見してじっくりと味わってきました。

『ヴェイル』を初めて見たとき、私の頭に浮かんだのはストーンヘンジでしたが、惜しい!こちらはデヴォンの海岸の岩を洗練させたイメージとのこと。直線と曲線が滑らかに混ざり合うダイニングテーブルです。
『エクリプス』は材料を切り抜き終わった鋼板を見てデザインを発展させたというコンソールテーブル。アイディアからデザインを発展させていく過程で、マティスの作品からも触発されていたと後から気付いたという面白いストーリーも。個人的にはアールデコの香りも感じる、トムの得意のそぎ落としていくミニマリズムのコンソールテーブル、是非、和の空間にも使っていただきたいと思いました。

また、クラウド・コーヒーテーブルのヴェネチアンガラス天板から落ちる光の美しさと言ったら! 真上にペンダントライトを吊るせば、床に宝石が散りばめられます。クラウド・コンソールテーブルの『Kintsugi』天板は名前そのまま、日本の金継ぎから。大理石天板の種類も新しくいくつかバリエーションが増えました。トムとのデザインミーティングの後はCEOのミランダとビジネスサイドのミーティング。そしてその後は、普段はロッツロードのショールームやオフィスにいるチームメンバーがやってきて、皆で泡タイム、そしてディナーへ。みんな本当によく喋る!!賑やかで笑い声の絶えない楽しいひと時でした。

 

続いて、キュリオーサブラックポップ
ダービシャーを拠点とするこの二つのブランド(BeauVampも)は今年のデコレックスでも大活躍。
キュリオーサのエスターはデコレックス初日、色に関するトークイベントにパネラーとして登壇。セミナー会場は立ち見の観客が溢れる満員御礼でした。そして今年のキュリオーサの新作はなんとガラスではなく磁器! 一点ずつエスターの手によって作られるパステルでマットな質感の磁器とガラスの組み合わせの愛らしいテーブルランプ。こちらも日本での発売は今しばらくお待ちくださいませ。デコレックス会場には毎年バーとVIPルームが設置され、今をときめく選ばれしインテリアデザイナーがそれぞれをデザインします。今年のシャンパンバーをデザインしたElemental Studioがデザインの要に選んだのがブラックポップ の商品群でした。新作・アフリカンアートからインスパイアされてデザインした Walladawnの壁紙がバーカウンターに、ファブリックが椅子に、写真が載せきれませんがブルーのモーフォ蝶が美しいChappelle Morphoのシアーファブリックが間仕切りカーテンに、その他のデザインのクッションもあちこちにと、かなり強いはずのブラックポップのデザインがさりげなく空間に溶け込み、新たな一面を見せてもらいました。 他の新作の一つラビリンス のデザインもも相変わらずの手腕です。

そしてお楽しみのディナー。ブラックポップチームとキュリオーサチームと私たちがダービシャーに行った時にも一緒に食事をしたエスターの親友夫妻や、エスターの家族も加わって大賑わい、まるで久しぶりに集まった親戚の宴会のようでした! ディナーの予約は8時、メニューを相談して食べ始めたのは多分9時頃、そしてこの後2次会でパブにも行ったのでした。本当にみんなタフです!

 

また今回、新たに取り扱いを始めるブランドの工房を訪ねてきました。
準備が整いましたら改めてご案内させていただきますが、アンティーク加工、箔加工のミラーを手掛けるブランドです。日本ではあまり馴染みのないアンティーク加工のミラーですが、イギリス、欧米では実はよく使われています。歴史的に光を室内に取り込むために大きな役割を果たしてきたミラー、築200年なんて建物が当たり前の国ではリノベーション(改築)やリストレーション(修繕)で普通に需要があるというのもあります。
正直、かなり玄人好みかもしれませんが、風格と独特の”時間”を感じさせる素材です。フレームに入れた壁掛けのミラーも出来ますが、主に壁装材としてのミラーとしてご紹介する予定です。 こちら、ショールームにも施工しますのでその折には是非ご覧になりにいらしてください。

 

さて、最後はジュリアン・チチェスター
ジュリアンチチェスターのショールームの一つはチェルシーハーバーデザインセンターにあります。この日はあいにくジュリアンは不在でしたが、夕方からショールームで招待制のドリンクパーティーをするからと、泡をいただきながら担当者とゆっくりとミーティングを。沢山の新作の説明を受け、勉強してきました。ジュリアンチチェスターには他のブランドになかなかないドリンクキャビネットや、日本で皆さんが見つけづらいとおっしゃるミラーやベッドサイドテーブル、チェスト・キャビネット類、そしてデスクも充実しています。 最新版カタログはこちらからご覧いただけます。

 

すっかり長くなりましたが、上記はご紹介したい内容のほんの一部。。。(今回はチェズニーとは時間切れでミーティングが叶わず)
その他の素晴らしい数々のアート&デザインのフェア、ロンドンのインテリアショップ&ショールームについて、デザインホテルについて、お洒落レストラン&グルメ (今のイギリスは美味しい!)&アフタヌーンティー、アートスポット、プライベートでのボンベイサファイヤの蒸留所やイートンでの週末などなど。(残念ながら今回はshopping情報だけがありません・笑) 折りをみて追加でご紹介できたらと思っております。

また、ショールームで今回の情報を絡めてのイギリスインテリアセミナー、お話し会も計画しております。詳細は追ってご案内させていただきます。

長文お付き合いありがとうございました。

関連記事